TuneCoreでリリースして全く宣伝しなかった場合の1年の収益
さてCDが売れない時代になり、またiTunesやAmazonでダウンロードする時代も終わり、今はサブスクリプションで1000円くらいの固定の月額で聴き放題という時代になりました。
CDのメリット
基本はデジタル音源をアナログのアンプとスピーカーで再生する為に、デジタルミュージック特有のクリップノイズを拾いづらくクリアな音。途中から光デジタルケーブルが登場しましたが、あまり普及しなく、デジタル to アナログでベストな組み合わせだった。
CDのデメリット
まず自費出版と考えればプレス代がかかるという事です。音楽事務所に所属していてもプレス代を積み立てる場合がある。
事務所によりますが、相場はアルバム1枚で100万円くらい。
リスナーのデメリットはCDを置く場所が必要。
CDに傷がつくと音が飛ぶ。
レンズが汚れるとクリーニングしなければいけない。
違うアーティストやアルバムの曲を聴くのにCDを入れ替えないといけない。
16ビットが上限の為にダウンロードとサブスクリプションの24ビットのハイレゾに音質が追い越された。
とは言え、クリップノイズを拾いづらくクリアな音質なのは事実。
ダウンロードのメリット
国内のみならず世界中で販売出来る。
TuneCoreなどに登録すれば音楽事務所やレコード会社に所属しないでリリース出来る。
iTunesを例に挙げると1曲255円で販売すれば、148円入ってくる。(2022年12月現在)
アルバムのプレイリストや好きな曲を集めたプレイリストを作って、聴きたい曲を直ぐに再生出来る。
ダウンロードのデメリット
リスナーのリスクは固定の月額で聴き放題のサブスクリプションの登場以降はダウンロードは高過ぎる。
膨大な曲数をダウンロードするにはパソコンや携帯のストレージ容量では限界がある。
配信者のデメリットはサブスクリプションの登場と普及でまずダウンロードしてくれる人がゼロに近い。
パソコンや携帯のスピーカーやデジタルのイヤホンやヘッドホンで聴くとクリップノイズが入る。
サブスクリプションのメリット
国内のみならず世界中で配信出来る。
ダウンロードと同様にTuneCoreなどに登録すれば音楽事務所やレコード会社に所属しないでリリース出来る。
パソコンや携帯のストレージ容量を気にしないで良い。
リスナーが固定の月額で聴き放題な為に金額を気にせずに気軽に再生出来る。よって再生数が多ければそれだけ収益がある。
経験上の目安は、一般には平均1再生で1円と言われていますが、実際は0.8円くらい。
つまり月間で多く再生をした人の1再生の単価は低く、月間で少ない再生をした人の1再生の単価は高い。
アーティスト名や曲名を検索するだけで好きな曲を買わずに再生出来る。
サブスクリプションのデメリット
ダウンロードと同様にパソコンや携帯のスピーカーやデジタルのイヤホンやヘッドホンで聴くとクリップノイズが入る。
今は携帯でBluetoothのイヤホンで音楽を聴く人が多い時代ですが、パソコンでイヤホンやヘッドホンで聴いて入っていないクリップノイズが入りますので、現在のテクノロジーでは最悪の組み合わせ。とは言え、Amazonの売れ筋ランキングではイヤホン、ヘッドホンのみならず、スピーカーもBluetoothの製品が上位を占めていますので、いずれはイヤホン、ヘッドホン、スピーカーという音楽を聴く機器が全てワイヤレスのBluetoothの時代になるという事も考えられます。今後のBluetoothの音質向上に期待。
音質の改善策は進んでいる
常に時代の先を行くアップルの最新のマックはMacBook Proを例に挙げると、M1上位機種とM2からDAC(デジタル to アナログ・コンバーター)を標準搭載し、CD時代のクリアな音に戻り、更にビット数無制限のアナログに変換している為にCDの上をゆく24ビットのハイレゾ音源が再生出来る。(2022年12月現在)
本来のベスト
出した音のままのアナログ音源をアナログのアンプとスピーカーで再生する。レコードは「プチプチ」と鳴ったり、聴き過ぎると劣化しスカスカな音になった。カセットテープは元々「サー」と鳴っていた為に、アナログは音質が悪いというイメージになってしまった。アナログをデジタルに変換しないと莫大なファイルサイズになり、今のテクノジーのパソコンのストレージではダウンロードでは膨大な曲数は保管出来ず(自分自身の曲で試したところ、現在のハイレゾの上をゆく32ビットでサンプルレートが最大の192kヘルツのWaveファイルの場合、3分44秒の曲が約344.4MB。同じ曲がCDと同じ通常の16ビットでサンプルレートが44.1kヘルツのWaveファイルの場合は39.6MB。解り易く言うとビット数とサンプルレートが高い程にアナログの音質に近付きます。実際はアナログはビット数もサンプルレートも無制限)、サブスクリプションにしても今のデータ通信量では重過ぎる。今後のテクノジーの進化に期待。
さて、私が2021年から運営を始めたインディーレーベルのSoul arrangementから、これから新作を出してゆくにあたって、全く宣伝せずにどれだけの収益があるのか?というデータ集めの為に自分自身の過去の作品をコンセプト別に収めた3枚のアルバム、そして黒人シンガーが歌ったシングルを1枚を2021年の10月に試験的にリリースして1年が経った結果報告です。まあ一般に言われるマーケティングという重要な仕事です。新たなアーティストと契約するのに、オーナーが大体どれだけの再生数で、どれだけの収益がアーティストにが入るかという目安を事を知っていなければ、収益の見積りが嘘っぱちになってしまいます。しかしそれはリスナーが決める事ですので、マーケティングをしたからといっても、どれだけの収益が入るかなんていう事は、アーティストの技量やスター性、楽曲の良し悪しで確実な見積りなんて出せませんし、確約は出来ませんが、一応は必要です。収益の桁が見積りという言うよりは目標よりも2桁、3桁以上も低く、またどれだけの宣伝が必要か、不必要かという事を知っていなければ赤字を出しかねません。まあ今回は過去の作品ですので大きな期待はありませんでしたが、新作となればアーティストもレーベルも作品の出来が良ければ、上手くいって数千万円単位の収益、またダメでも数百万円単位の収益が入るという事を期待をするものです。何せ世界リリースですので、最低でも数十万円単位の収益が入る。更にどん底の最低でもシンガーで例えた場合は曲を覚えたり、上手く歌う為の個人練習とレコーディングの労働時間を時給に換算して、最低でもせめて数万円は収益が入るという事は疑わないでしょう。逆にもっと上手くいけば数億円単位の収益が入るなんて計算をして、はるかに下回れば相当な精神的な打撃になります。ましてやリリースすれば大金が入ってくると誤算をして気持ちが大きくなって、リリース前にお金を使ってしまえば、精神的な打撃だけでは済まなく、経済的な打撃を受け人生が狂いかねません。そこが私がアーティストに対して一番心配をする事です。
まあ過去の作品はデジタル録音の曲もありますが、はるか昔にカセットテープのMTRで録音した曲は「サー」というヒスノイズが入っていますし、2016年の一人多重録音シリーズは全曲デジタル録音でしたが楽器やアンプから出た「サー」というヒスノイズが入っていて諦めていましたし、黒人シンガーが歌った曲もレコーディングは2019年でしたが、作詞作曲をしたのは2009年でしたので、古い楽曲と自負していましたのであまり再生は期待はしていませんでした。
さて3枚のアルバムと1枚のシングルでリリースした事はFacebookとインスタで投稿しましたが、それ以外の宣伝無しで1年で何再生、そして幾らの収益でしょう?
なんと911再生 689円でした。
注意:2ヶ月後、3ヶ月後に確定レポートが届くストアもありますので、あくまで単純に2022年の10月末の結果であり、実際はもう少し再生数と収益がありますが、大体こんな感じです。
これは予想よりもはるかに低かったです。アルバムの登録料が1年で約6千円、シングルの登録料が1年で約2千円で、3枚のアルバムと1枚のシングルだと年間の合計は2万円くらいですので、最低でもそれくらいの収益はあると思っていました。実際はリリース前には5万円くらいの収益はあるかなと思っていましたので、結果は予想より2桁低かったというのが正直でしたが、毎月レポートを見ていましたから、途中からはせめて千円の収益に到達してくれればと諦めていましたが...ちなみにダウンロード数は単曲、アルバム共に0でした。iTunesはまだダウンロードで売る気はある感じですが、近年はApple Musicに誘導するシステムに変わりました。Amazonは完全にAmazon Music Unlimitedに誘導する感じで、AmazonのサイトでMP3 ダウンロードをクリックしてもUnlimitedの会員以外は類似曲が再生されオンデマンドで試聴も出来ない仕様になってしまいました。まずは試聴してからダウンロードするという当たり前だった事が出来なくなってしまいました。時代的には納得ですが...まあ今の時代にインスト曲がどれだけ再生するのか?また日本人が英語で歌ってどれだけ再生するのか?というのを知りたかったのですが、全体に楽曲が古く、音質も良くないですので、まずあまり再生はしないだろうと思っていました。むしろどれだけ再生しないのかを知りたかったのです。しかし古い楽曲でも黒人シンガーが歌えば再生するのではないか?という期待もあったのですが...
まあそれでもSoundCloudで既に発表していて最も再生した曲は100再生弱ですし、YouTubeで既にアップしていたアルバムも200再生強ですので、むしろTuneCoreでリリースした方が再生数が多いという事は言えるでしょう。TuneCoreは有料ですので無料でアップ出来るサイトよりも再生数が低かったら困りますが。
良かった点は再生は日本が圧倒的に1位でしたが、次いでアメリカ、ヨーロッパ、南米&カリブ、アジア太平洋、オーストラリアで再生された事です。驚きは中東、アフリカ、ロシアでも再生され、1番の驚きはインドでも再生された事です。特にインドと中東は文化や宗教もそうですが、音楽的にも違う文化圏というイメージがありますよね。カナダは意外にも再生数が低かったです。しかしこれは収益が少なくても世界中の人が聴いてくれていると思うとワクワクして励みになりますよね。
後は年間のサブスクリプションの再生数とは別に、TikTokやFacebookの投稿でBGMで沢山流してくれたという事もありました。最高記録は"Jazzy Hip Hop"という曲がTikTok・クラシルで1ヶ月で3,152再生でした。しかしBGMで使ってもらった場合は収益は低く、その再生数でも月に約3円でしたが、収益は低くてもBGMで使ってもらった曲はその後にサブスクリプションの再生数が増えるとういう傾向があります。それは"Bossa For My Cousin's Wedding"という曲で、2022年の3月にFacebookの投稿のBGMで誰かに使ってもらえて、その曲のそれまでの最高記録の109再生を記録した時はサブスクリプションの再生数は増えなかったのですが、その翌々月の5月に同様にFacebookの投稿のBGMで誰かに使ってもらえて85再生してから、それまでは殆ど再生されていなかったのですが、それ以降サブスクリプションでも再生数が増えました。SNSでBGMで使ってもらうと曲名とアーティスト名が表示されますので、それで覚えてもらったのかもしれません。SNSのBGMで使ってもらった場合は浸透するまでは時間がかかるのでしょう。SNSのBGMで使ってもらう利点は収益は低いですが、宣伝費をかけずに、しかも数円という僅かながらにもお金をもらいながら楽曲の宣伝をしてもらえるというところでしょう。普通は宣伝するにはお金を払いますからね。
まあ収益に関しては、正直これだけか?と残念でしたが、サブスクリプションの再生数は千再生近くですし、SNSの投稿のBGMでも沢山使ってもらえましたので、まあまあ満足でしたので赤字でしたが約2万円で全作品の2年目の更新手続きをしました。更新したもう一つの理由はApple Musicでは時間が経つにつれて再生数が増えているという事実です。大体は後に紹介をする数曲がコンスタンスに再生されますのでファンがついたのかもしれません。ファンは赤字でも失ってはもったいないです。欲を言えば2021年にリリースした4枚で1年の更新料の約2万円の収益はあって欲しいのですが。しかし同じくらい嬉しいのは世界中で再生されたという事です。
以下は2021年の10月にリリースした4枚です。
注意:3枚のアルバムは個人名義の自主制作リリースですのでSoul arrangementからの作品ではありません。
ジャズ/フュージョンアルバム
R&B/ゴスペルのボーカルミニアルバム
一人多重録音アルバム
黒人シンガーが歌ったR&Bシングル
再生はYouTube MusicとApple Musicが2ストアが頼みの綱
(再生数は2021年にリリースした全31トラックの合計の再生回数です)
YouTube Music 新着の時には再生数があるが、その後はあまり再生しない
最初の月は104再生でしたが、翌月は16再生。その後は一桁の再生で稀に10数再生すれば良いという感じです。
リリースしてから1週間は新着で、おすすめなどでプロモートしてくれるのだと思います。
Apple Music 最初は再生しないが徐々に再生数が増える
最初の月は4再生で3ヶ月は一桁の再生でしたが、その後は二桁の再生で徐々に再生数が増えている。
つまり最初の月だけはYouTube Musicに頼り、その後はApple Musicに頼る。TuneCoreからリリースすればSpotifyやAmazonなど他にも色々なストアで配信されるのですが、正直、宣伝無しに毎月コンスタンスに二桁の再生が期待出来るのはApple Musicだけだと言って過言ではありません。
どういう楽曲が再生されやすいのか?
まず楽曲のクオリティーが高くてもノイズの入っている曲は再生数が低いです。以下の2曲は自信作でしたが、マックでデジタル録音したのですが、楽器やアンプから出た「サー」というヒスノイズが入っています。つまり楽曲は良くても音質が悪くて再生してもらえないという参考になると思います。
世界リリースで歌詞の英語を間違えると再生されにくい
私は外国人に日本語を教える日本語ボランティア講師もしています。今は色々な事情でお休みをしていますが、世界中の人に会いました。レッスンでは基本は日本語のみなのですが、全く日本語が通じない場合は英語で教えます。まず全く英語が通じないのはベトナム人です。まだベトナム戦争の尾を引いてアメリカは敵国なのか、二十歳くらいの若者の生徒達も英語を毛嫌いしました。後は意外な事にアメリカに近い南米の人は、人にもよりますが英語が全く通じない人もいます。意外な事に中東の人は英語が達者な人が多いというか、結構みんな話せます。またスリランカのイスラム教徒も英語が通じます。イスラム教徒は英語が通じないという先入観がありましたので意外だったのです。逆に英語が得意な国はヨーロッパ諸国、フィリピン、インド、韓国というのは有名です。後は会った事はありませんが、シンガポールは国際化していますので、おそらくは英語が得意なのではないかと思います。ベトナムと一部の南米の人以外は中国人でも英語が通じました。一般的には中国語は英語の文法に近いので日本人よりも早く英語を覚えられると言いますが、私はアメリカに留学した事があるのですが、英語を上手く喋れない中国人のクラスメイトがいました。そして最近では英語が苦手と言われる日本人でも英語が喋れる人も多くなりましたし、世界中で英語が普及している為に、英語を間違えると世界中で赤っ恥をかくという事は事実でしょう。というよりはシラけて再生してもらえません。
例えば外国人が日本語で曲を作って歌い、「僕は君を愛してる」というフレーズを日本語を間違えて「僕は君は愛してる」と歌ったら、たとえ良い楽曲で歌が上手かったとしても、その時点で日本人ならシラけて再生を止めますよね。それと同じ感覚だと思います。よって歌詞を間違えるとノイズ同様に再生数に影響するのです。
この曲はまあまあ自信作でしたが、出だしで"What can I sing this song better?"と歌っています。"How can I sing this song better?"の歌い間違いで、歌詞ページで"What (How) can I sing this song better?"と訂正しましたが、これは痛かったです。歌詞ページで訂正したくらいですので、当然リリース前に気付いていたのですが、マックのGarageBandでレコーディングしたのですが、ソフトが新しくなりこの曲のファイルが開けなくなってしまっていて、その後に古いGarageBandとLogic Proで作った曲のファイルが全て消えてしまい、この箇所だけの再録音が不可能だったのです。出来るとしたら全部最初からレコーディングし直す事しかありませんが、2016年の一人多重録音シリーズという、シリーズものでしたので、2016年の過去の作品として諦めてリリースしました。
"How can I sing this song better?"
だと、「どうやったらこの曲を上手く歌えるか?」という意味です。これが歌詞の意味的に正解です。
"What can I sing this song better?"
だと、「何をこの曲を上手く歌えるか?」と日本語に訳して意味が通じません。
歌詞の内容を要約すると、「どうやったらこの曲を上手く歌えるか?"What Should Do?"(どうしたら良いんだ?)」という曲です。
Whatを使うとしたら、"What can I do for singing this song better?"だと「この曲を上手く歌う為に何が出来るか?」という意味で曲の歌詞的にも意味を成します。"What can I do?"は決まり文句で、くだけた訳し方だと「どうした良い?」という意味になります。つまり「この曲を上手く歌う為にどうしたら良いか?」と訳せますので曲の歌詞的にピッタリです。しかしどの道ファイルを開けなくなってしまったどころか消えてしまったので仕方がないです。
他にも2021年に発表したNaoya Moro名義のアルバムで歌詞の英語が間違えていて、歌詞ページでカッコで訂正した曲があったのですが、同様に再生数が低かったです。それはJust One Thingというアルバムで3曲訂正しましたが、よくよく見ると他にも間違いを発見しました。今はパソコンのワープロソフトやメモソフト、またGmailでもスペルチェックが出来て、スペルや文法の間違いが解ります。またネットで英文を検索出来ますので活用して入念に確認した方が良いです。私はアメリカに留学していましたし、帰国後に日常会話に不自由がないというレベルの英検2級を取得していますし、2011年から2014年までアメリカ人講師だけを雇った英会話教室の塾長をしていましたので、アメリカ人相手に仕事で英語を使っていましたので、一応は英語は普通に喋れるのですが、そこはネイティブ・スピーカーではない為にちょっとした間違いはよくあります。しかしながら会話でのちょっとした間違いは通じれば良い訳ですし、相手がアメリカ人でもそこまで気にされません。むしろアメリカ人に英語力が凄いと言われた事もあります。しかし曲となると台無しになってしまいます。重要なのは音楽は目で歌詞を読むものではなく、音で歌詞を聴くものだというのを、いくら訂正したといっても再生数の低さから改めて学びました。そのアルバムは2000年と2001年にパソコンではなくデジタルMTRでレコーディングして、そのMTRを売ってしまったので、間違えた箇所だけの録音のし直しは不可能です。それ以前の問題として20代の時と40代の時って同じ人でも声が違うんですよね。変声期前と変声期後程の声の変わり様ではありませんが、単純に若者とおじさんの声は違います。まあどの道、仕方がないと言えるでしょう。
世界リリースをする場合は歌詞の英語を間違えない様に、リリース前というよりはレコーディング前、レコーディング直後に入念にチェックするという事が必須です。というのも人間の声というのは短期間でも若干変わり、同じ声が出なくて録音し直した箇所が浮いてしまうというケースもあるからです。1週間や1ヶ月、また数日で声の感じが若干変わる事もあります。普段は同じ声に聞こえますが、レコーディングでは当初のレコーディングで採用した時の声と、後から修正した時の声を比較出来ますので目立ってしまうのです。気にするの本人だけかもしれませんが、後から録音し直して修正したと気付く人は気付くでしょう。ノイズにしても歌詞の間違いにしても、これ位は気にしないだろうと思っていた曲が見事に再生数が低いのは事実です。リスナーはあなどれません。
世界リリースの最大のリスクは言葉の壁です。音楽は言葉の壁を越えると言いますが、インスト曲は確かにそうですし、日本語で歌っていたら英語を解らない日本人がアメリカやUKの洋楽を歌詞の意味を解らずに音楽として楽しめるのと同様に、音楽は言葉の壁を越えます。しかし歌詞の英語が間違っていたら、むしろ音楽は言葉の壁にぶち当たるのです。
以下がHowをWhatと歌詞を歌い間違えていた曲です。
再生数が多かった5曲はノイズが少なく音質が良く、歌詞の英語も間違いがなかった
さて、この5曲はノイズが少ないという点も挙げられますが、タイトルに注目してください。
最後の"We Should Never Fall Apart"以外は"Jazzy Hip Hop"、"Bossa For My Cousin's Wedding"、"Soul & Blues"、"Neo Funk"と曲名に音楽のジャンル名が入っているというところが注目点です。"We Should Never Fall Apart"は楽曲が良いと思ってくれて再生してくれているのだと思いますが、他の4曲はタイトルが検索で引っ掛かって再生数が多いという可能性が高いのです。漠然と音楽のジャンル名で検索したら出てきたのかもしれません。
しかし一概にタイトルが検索で引っ掛かる訳ではないというのが、この"Midnight Jam"という曲が1年経ってから再生数が増えているという事実です。Jamはミュージシャンが集まってアドリブで演奏するジャムセッションのJamですが、音楽のジャンル名ではありませんし、タイトルが検索が引っ掛かっているとは考えづらいからです。DAWソフト(昔で言う和製英語のDTMソフト)で作ったので音質が良いのは勿論なのですが、正直1994年に作った"Jazzy Hip Hop"の再生数が多くて、何故ジャジーなヒップホップという同じ路線で2019年と新しいこの曲の方が再生数が低いのか?という疑問があったからです。今は音楽を文字で検索する時代ですので、最初の1年はタイトルが検索に引っ掛かっても、1年経つとリスナーの方々もアーティストの名前を覚えてくれて、掘り下げて楽曲のクオリティーが高い作品を聴いてくれるのかもしれません。
ネットでブログなどを検索したら1年で700円くらいの収益というケースは他にもあるそうですが、殆どの人は1年の結果で更新しないで配信を辞めてしまうみたいです。一般には配信した年が再生数が多く、2年目からは再生数が減ると言われていますが、しかし私の経験上では徐々に浸透していきファンが増え、むしろ1年目より再生数が増えているという傾向にあります。そして2年目からこそ評価に値するクオリティーの曲が再生されると言っても過言ではないでしょう。まあノイズだらけの曲は楽曲が良くても何年待っても駄目でしょうけどね。赤字でも2年目の更新をする価値は今のところはあると思っています。
この曲の再生数が低い理由 "Too Good To Be True"
リリース前は黒人シンガーが歌った音源ですので、この曲が一番再生すると思っていました。言うなれば目玉商品でしょう。しかし結果は1年で37再生でした。まずは単純にビルボードのHot 100を見ても解るように2010年代の特に中盤以降から現在に至ってはR&Bのバラードは前みたいにヒットしないという事が挙げられます。
しかし、であれば何故1990年代風のR&Bバラードの"We Should Never Fall Apart"の再生数が多いのか?という説明がつきません。ちなみに"We Should Never Fall Apart"はライブバージョンとテスト録音的なオリジナルバージョンを配信しているのですが、ライブバージョンの方が再生数が多く1年で91再生でした。両方を合わせると1年の合計は104再生でした。
詳細は判りませんが、おそらくはシングルだからでしょう。TuneCoreには大体2日後に反映されるデイリーの速報レポートというのがあり、アバウトですが大体の再生数が解ります。一方で翌月以降の月末の確定レポートというのは30秒以上再生すると1カウントされるのですが、Apple Musicは1曲を最初から最後までフルで聴いてくれると速報レポートに反映されるそうです。ですので実際は速報レポートよりも多く再生しているので参考までなのですが、良いところは誰かがアルバム全曲を通して聴いてくれた日が解ります。おそらく何かで1曲気に入ってもらえて、他の曲や、アルバム全体を聴いてくれたのでしょう。また時にはNaoya Moro名義の曲が全曲再生されている日もあります。レポートでは誰が再生したかまでは判らないのですが、全曲が全て1再生の日はおそらくは一人の人が全曲再生してくれたのだと思います。あくまで1年のデータ集めの結果からでしかありませんので断言は出来ませんが、シングルは出しても滅多に再生されない可能性が高いという事が言えるかもしれません。ですのでTuneCoreでリリースを検討している方は、アルバムを出す方が相乗効果で全体で考えても単曲で考えても再生数が多いというのは、おそらく事実でしょう。まあ同じアーティスト名で何枚もシングルを出せば、アルバムを出したのと同じくらいの再生数だと思いますが。
あと考えられるとしたらジャケットのタイトルが"Too Good Be True"となっていて"To"が抜けていたからか、歌い出しにヘッドホンで聴くと「プチっ」という目立つノイズが入り、ブリッジに目立つ「ウィーン」というハムノイズが入っていたからかもしれません。ジャケットを修正して、リマスターして2022年の11月8日に再リリースしました。
1年間タイトルを間違っていた事に気付かなかったジャケット。これはシラけるかも...
1年間、目立つノイズが入っていた事に気付かなかった音源。ブリッジのハムノイズはリリース前に気付いていましたが、気にする人はいないと思っていたのです。しかし再生数の多い曲は音質が良かった曲ですので、結構の人は気にするのかもしれません...音質重視の時代というのは間違いではないでしょう。勉強になりました。
後もう一点だけ考えられるとしたら、国内だけのリリースでしたら日本人が作った曲をアメリカ人の黒人シンガーが歌ったという事は珍しくてインパクトがある事だと思います。実際に2021年にリリースした作品を何人かの日本人の知人に聞かせて圧倒的に凄いと言ってくれたのは、この曲でした。そして2019年にこの曲をデモ音源にして、横浜のメジャーレーベルの楽曲を提供している音楽事務所の審査に通り、作編曲家として契約しましたので、それなりの楽曲なはずです。しかし世界リリースですのでアメリカ人が英語で上手く歌えても当たり前で、アメリカの数ある似た様な楽曲と比較されて埋もれてしまい、むしろ日本人が英語で歌っているという方がインパクトがあるのかもしれません。まあ似た様な楽曲とは言いましても、私はブルースの本場のメンフィスで音楽修行していた為にサビで、この手の曲では珍しくブルーススケールを使っていて目新しさはあります。そして歌ったTammyはメンフィス出身で、メンフィスはサザン・ソウルの本場でもありますし、Tammyは教会で知り合った時に礼拝で歌っていたゴスペルシンガーですので、後半のサビでのゴスペルフィーリングを基盤にメンフィス出身ならではのブルージーでソウルフルなアドリブが聴きどころです。よって現代サザン・ソウルという新しいジャンルの音楽と言えるかもしれません。再生数は予想外の結果でしたが、ジャケの訂正とリマスターもしましたし、1年間の宣伝無しのデータ集めの試験的な配信期間も終わりましたので、2年目から売りにかかりたいと思います。
1年のマーケティングで得た事は、楽曲と演奏や歌唱が良くても、今の時代は音質重視で極力にノイズを減らすマスタリング次第で再生数が左右するのではないか?という見解です。まあでもメジャーも結構クリップノイズが入っていますけどね。しかし打ち込みでもパソコンのDAWソフトのソフトシンセでは「プヨ」とか「ポコ」とかクリップノイズが入りますので...しかし実はRolandやYAMAHAといった楽器メーカーが作った昔の音源モジュールという機材の方がクリップノイズが入りづらかったのです。DAWソフトはシンセ音とエフェクターが豊富で驚異的に進化しているのは事実ですが、クリップノイズが入るという面では退化しています。その上に楽器の生演奏や、ましてや歌やラップ等、人間の声が入ればクリップノイズが全く入らないというのは今のテクノロジーでも不可能に近いと感じます。これも実は楽器メーカーや音楽機材メーカーが作ったデジタルMTRなら滅多にクリップノイズは入りません。まあとは言えパソコンのDAWソフトはエフェクターが豊富ですので、マスタリングで補うしかありません。今はサウンドも歌もラップもエフェクター使いまくりの時代ですから。シンセ音とエフェクターの豊富さも含め、現在のDAWソフトと同等の機能の楽器メーカーや音楽機材メーカーが作った機材で全部揃えるとしたら数十万円、下手したら数百万円かかる事でしょう。しかも楽器メーカーや音楽機材メーカーが作った機材にはDAWソフトで使えるシンセ音やエフェクター、機能の全てがあるという訳ではないというのも事実です。物理的にDAWソフト同様の機能の機材の全てを揃えられなく、やはりパソコンで音楽を作る時代と言えるでしょう。しかしパソコンのDAWソフトはまだ進化途中でプロユースというレベルに達していないというのも事実です。とは言え自分自身の2022年のMy Old School Thingsという新作やメジャーアーティストのクリップノイズが入っている箇所を音楽をやっていない何人かの知人に聴いてもらったら、全員どこにノイズが入っているか判らないと言っていました。またDAWソフトはアップルのLogic Proを使っているのですが、クリップノイズが入るとアップルサポートに電話しましたが、こういった問い合わせは初めてだと言われました。しかし素人は気付かなくても、プロは気付きますし、1年のマーケティングの結果でも、リスナーは音質の良い曲を選んで再生しているという事は間違いないと思います。耳の肥えたリスナーは気付くという事でしょう。まあ今回紹介しました3枚のアルバムのヒスノイズに関しましては明らかに目立ちますので、結構の人が気付くというレベルでしょう。まあ昔にカセットテープのMTRで録音した作品は、当時のテクノロジー的にカセットテープ自体にヒスノイズが入るので避けられなかった訳ですし、また生演奏でのヒスノイズに関しましては安物の楽器やアンプを使ったという問題ですが、キーボードは安物ではなかった為に安物のミキサーを使ったという機材の問題ですので、DAWソフトの性能のせいではありません。
しかし言える事は機能は確かにDAWソフトの方が上ですが、性能は楽器メーカーや音楽機材メーカーが作った機材の方が上と言えば解り易いかもしれません。
マスタリングに関しましては現在原稿を書き途中で、時が来たら詳しくブログでアップしますので、お楽しみに!
以上となりますが、参考になりましたでしょうか?
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